今週もサッカーに関する本の紹介です。アルフレッド・ヴァール著『サッカーの歴史』です。創元社の「知の再発見」シリーズのひとつとして出版されています。
このシリーズは世界史上の様々なテーマを、いろいろおもしろい視点で扱っていて「インカ帝国」とか「十字軍」のような歴史のテーマのほか「美食の歴史」「本の歴史」とかユニークなテーマを豊富な図版つきで扱っているもので、その101冊目が「サッカーの歴史」でした。
前回ご紹介した後藤健生さんの「サッカーの歴史」を読んでから、サッカーを歴史の中で見ることに興味をもつようになり、何冊か本も読みましたが、その中ではもっとも図版が多くてビジュアルに分かりやすい本です。
たとえば1930年にウルグアイで開かれた第1回ワールドカップ大会のポスターの写真とか、サッカー史的にも貴重な資料が紹介されていて、図版をみているだけでも楽しい気持ちになります。
イギリスで生まれたサッカーですが、最初はボールを奪い合う乱闘のような競技だったものが、だんだんポジションが決まってきてルールのあるスポーツになっていく様子が図でもよくわかるように編集されています。
これを読んでヨーロッパの歴史にますます興味をもつようになりました。そういえば高校でも世界史の授業が一番おもしろかったのを思い出しました。サッカーのように今、関心のあるものの起源をさかのぼっていくような歴史の勉強というのは、すごくおもしろいのではないかと思いました。